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コネコネットの専門家が、ヘッドホンの選び方をガイドします。
第17回目は「ヘッドホンの選び方」です。
プロ御用達のヘッドホンやハウジング素材、スペック項目の見方やメーカー別の特徴など
ヘッドホンにこだわりたい方へ、選び方のポイントをご紹介しています。
ヘッドホンの選び方

駆動方式や構造について学ぼう!
音は空気を振動させることにより伝わりますが、空気を振動させるためにはいくつかの方法があります。
例えば叩く(例:ドラムやピアノ)、弾く(例:バイオリン)、流れを作る(例:動物の声帯)などなど。
ヘッドホンとは、この空気の振動を電気の力を利用し発生させる装置なのですが“電気の力”と言ってもその方法はいくつかあります。ここではその方式について述べます。
殆どのヘッドホンの駆動方式はダイナミック型
ヘッドホンの駆動方式(音を出力する方法)は複数種類ありますが、 その多くはダイナミック型を採用しています。 他の方式としてはコンデンサ型(静電型、エレクトロスタティック型とも)や圧電型などもありますが、 いま市場に出回っているヘッドホンのほぼ全てがダイナミック型を採用していると認識していただいて間違いありません。
| ダイナミック型とは? |
|---|
| ダイナミック型とは、簡単にいうと“(一般的な)スピーカーを小型にした”駆動方式です。 振動版を取り付けたボイスコイルに磁気をかけ、空気を震わせることにより音を発生させます。 ムービングコイル型とよばれることもあります。 どうしても振動板の大きさを小さくせざるを得ないイヤホン用の場合は、 ダイナミックレンジが狭く繊細な表現を苦手とする個体も存在するのですが、 ヘッドホンの場合は比較的大きめの振動版を使用できるため、このダイナミック型が適しているというわけです。 「ダイナミック」についてのレビューをみる。 |
| コンデンサ型とは? |
| 日本ではスタックス社のみが展開している方式で、静電型やエレクトロスタティック型とも呼ばれています。 極薄の振動板(振動膜)を無数の穴を開けた二枚の金属板(固定極)に挟みこみ、 振動膜には直流電圧・固定極には交流電圧をかけます。 すると電気信号に応じた振動が金属膜に発生し、それが固定極に開けられた穴から音として出てくるという、ちょっと複雑な方式です。 非常に繊細で高品位な再生が可能な方式なのですが、高い電圧を必要とする等の理由で専用のアンプが必要不可欠となり、 どうしても高額になってしまう為か、あまり一般的には普及していません。 ただ、一般的では無いものの『この方式で無ければ得られない世界』があることからか、多くのマニアを魅了してもいます。 「コンデンサ型」についてのレビューをみる。 |
開放型と密閉型
ヘッドホンの構造は、開放型や密閉型などがあります。好みによってどちらがよいか検討してみるとよいかなと思います。

ダイナミック型

コンデンサ型
| 開放型 (オープンエアー型) |
発音部分の背面が開放された構造です。 再生音は伸びやかで、聴き疲れしない傾向があります。 外部の音が流入しやすく、また音漏れもしやすいため電車の中など公共の場での使用は注意が必要です。 「開放型」についてのレビューをみる。 |
|---|---|
| 密閉型 (クローズド型) |
発音部分の背面が密閉された構造です。 音の再現性が高く細かい音まで聞き取れますが、長時間の使用では聴き疲れを伴う場合があります。 外部の音がほとんど入ってこなくなるため、モニター用のヘッドホンはほとんどがこの密閉型となっています。 「密閉型」についてのレビューをみる。 |
スペック項目はこう見よう!
カタログの裏などに記載されているスペック項目、何をどうみたらいいかわからない、ということも多いですよね。
ここではスペックの用語とその意味をかんたんにご紹介します。
インピーダンスとは?
インピーダンスとは、信号(電流)に対する抵抗値のことで、単位はΩ(オーム)。16Ωなどと表記されています。
この数値は、高ければ高いほどノイズに強くなるのですが、同時に音楽信号に対する抵抗値も高くなるので、
ボリュームを上げても思うように音量が取れなくなる場合があります。
日本製のヘッドホンの多くは30Ω前後のインピーダンスですが、
これくらいの数値であればiPod等の携帯音楽プレーヤーと直接接続しても、特に問題無く音量が取れます。
しかし、海外製の一部には非常に高いインピーダンスのものもありますので、
そのような製品で期待する音量を得るには、ヘッドホンアンプ等を用いてインピーダンスの差を整合する必要があります。
感度とは?
感度とは、1mWの電力を与えたとき、1kHzの音がどれくらいの音圧で得られるかの値のことで、 単位はdB(デシベル)。105dB/mWなどと表記されています。
高ければ高いほど小さな力で多くの音量がとれるのですが、音楽鑑賞用では100dBもあれば充分です。
ジェット機の爆音などは軽く100dBを超えてきますが、そもそもそのような音を正確に収録出来るマイクはありませんので、あまり気にする必要は無いでしょう。
再生周波数帯域とは?
再生周波数帯域とは、再生可能な周波数の帯域のことで、単位はHz(ヘルツ)。
5〜24,000Hzなどと表記されています。
CDフォーマットの再生周波数帯域は20Hz〜20kHz程度とされていますが、SACDの再生周波数帯域は(理論上は)5Hz〜100kHzと大幅に拡大されました。 この超ワイドな帯域をカバーするため、ソニーのMDR-SA5000(5Hz〜110,000Hz)など一部の製品では超ワイドレンジ対応を謳うものも出てきています。
しかしこの数値は測定条件で大きく変わることがあり、 メーカーによってその測定方法がマチマチなので判断が難しいのが現状です。 このスペック項目を見る場合は、数値の幅が広ければ広いほどスペック的に優秀(高級)なんだな、程度の認識でかまいません。
ヘッドホンのスペックはメーカーによっても基準がマチマチなので一概に比較するのは難しいのが実情です。
全く同じスペックだとしても得られる音が全く異なるケースもざらにあります。
車で例えると、同じスペック、例えば最高出力100馬力・最大トルク15キロの車が2台あったとして、
A車とB車では乗り心地が異なるように、ヘッドホンも同じスペックでもメーカーやモデルによってその使用感は異なります。
スペックを見る際は、そのヘッドホンの大まかな性格を知る、というくらいで参考にしてみるとよいかと思います。

スペック項目が同じでも、メーカー・モデルで音は違ってきます。
ヘッドホンいろいろ
ヘッドホンを選ぶ際の基本的なポイントをおさえていきました。他にも細かいポイントがいくつかありますので、ご紹介していきますね。 各メーカーの特徴も入れてみましたので、参考にしてみてください。
ハウジングの素材について
ハウジングとは、ヘッドホン両サイドの箇所にあたります。
実際の音に対する影響はドライバーユニットほど大きく無いものの、
音決めの調整に使うメーカーも多いのでヘッドホンでは重要な部位と言えます。
また、デザイン面にも大きな影響を与え、ここのデザインで全体の印象が決まると言っても過言ではありません。
多くのヘッドホンは科学樹脂を加工したものをハウジングに用いていますが、高級機には木材を用いたものもあります。
それらのヘッドホンは長く木材に親しんできた国民性からか日本の製品に多く、
厳選された北米産ブラックチェリーを使用したオーディオテクニカのATH-W1000Xや天然マホガニーを用いたデノンのAH-D7000、
高い剛性を持ちながらも軽量でヘッドホンハウジングの成型にも大変適したラジアタパインを採用したビクターのHP-DX1000などがその代表格と呼べるでしょうか。
それら高級機は音質の良さもさることながら、見た目の美しさも素晴らしく、さながら工芸品のように長く手元に置いて愉しむことが出来ることでしょう。
また、木材以外ではドイツ・ウルトラゾーンのedition8がハウジング材に希少金属のパラジウム(ルテニウムVer.もあり)を採用し、話題をさらっています。
プロ御用達のモニターヘッドホン
MDR-CD900STとMDR-7506
日本の音楽業界で採用されているヘッドホンには定番モデルが存在します。
音楽のプロ達の信頼を一身に背負い、「これが無くては仕事に成らない」とまで言わしめる超スタンダードモデル。
ミュージシャンのPVなどでもよく目にするので、知っている方も多いかもしれません。
そう、ソニーのMDR-CD900STです。非常に高解像度で、歪みや音色への色付けも少ないので、
モニターヘッドホンとして不動の地位を築いているのも納得の逸品です。
一方、海外に目を向けるとこのMDR-CD900STにそっくりなMDR-7506というモデルが活躍しています。
このMDR-7506、かつては海外専用モデルで日本で手に入れるには輸入するしか手段が無かったのですが、現在は国内でも売られるようになりました。
このMDR-CD900STとMDR-7506、見た目はシールの色が違う(MDR-CD900STが赤で、MDR-7506は青)くらいでソックリなのですが、
音質は中域に厚みを持たせたMDR-CD900STに対して、高域・低域が元気なMDR-7506と結構違います。
解像度の高さや低歪な点などモニターヘッドホンらしさは共通ながらも、異なる音質を持つあたりが面白いですね。
ちなみにMDR-CD900STの販売元はソニーミュージックエンタテイメントで、MDR-7506はソニービジネスソリューション株式会社と、
同じソニーグループながらちょっと違う販売元であるところも面白いところです。

ハウジングの素材

モニターヘッドホン
ノイズキャンセリングヘッドホンについて
ヘッドホン部に超小型のノイズ検出マイクを着け、そのマイクが拾った位相と逆の位相の音を発生させてノイズを低減させる仕組みです。
昔のノイズキャンセリングヘッドホンは、ノイズ検出部から絶えず『サー』と異音が発生しているものもありましたが、最近はそういう製品は少なくなりました。
とは言え、ノイズ検出部はまったくゼロになったわけでは無いので、実際に購入する前に一度試聴してみることをオススメします。
ヘッドホンアンプについて
ヘッドホンアンプとはその名の通りヘッドホン用のアンプのことで、微弱な音楽信号を増強する機器になります。
インピーダンスとは? の箇所でも少し触れましたが、 欧州製のヘッドホンにはハイインピーダンスのものも多く存在し、
それらのヘッドホンでiPodなどのポータブルプレーヤーを使用した場合は音量が取りづらいケースがあります。
例えばベイヤーダイナミックの『T1』は600Ωとかなりハイインピーダンスな設計なので、直接iPodに繋いでも殆ど音量は取れません。 いくら高性能なヘッドホンでもこれでは宝の持ち腐れになってしまうので、このような場合はヘッドホンアンプの活用をオススメします。
エージングについて
車で言うところの、『慣らし運転』のようなものです。 たとえば振動板など直接動く箇所は、使用直後はどうしても動きが硬い場合がありますが、 実際使用しているうちにこれらの箇所がスムースに動いて音質もより滑らかになる場合があります。 エージングに過度な期待をかけるのは禁物ですが、『普段楽しんでいる音楽を普段聴いている音量で聴いていたら、 いつも間にか音質が良い方向に変化していた』くらいのスタンスでヘッドホンライフを楽しんで頂ければと存じます。

ヘッドホンはキチンと装着しましょう。スタイリッシュな着け方=音も良い、とは限りません。
メーカー別の特徴
| SONY / ソニー (日本) |
オーディオテクニカと並んで日本のヘッドホン業界をリードする大手ブランド、ソニー。 先にも述べたとおり、MDR-CD900STやMDR-7506に代表されるモニタータイプのヘッドホンが特に有名ですが、 5Hz〜110kHzという超ワイドな再生周波数帯域を誇るMDR-SA5000や、マグネシウム・超ジュラルミンといった ハイテク素材を活用することによりわずか200gという軽さを実現したMDR-F1など、 ヘッドホン業界の盟主らしく大変幅広い商品ラインナップを展開しています。 |
|---|---|
| オーディオテクニカ / audio technica (日本) |
ソニーの良きライバルとして国産メーカー屈指の実力を誇る名門、オーディオテクニカ。 かの大手メーカーと較べると会社の規模こそ劣るものの、品質や商品ラインナップなどは決して見劣りしません。 ATH-AD2000など開放型ヘッドホンに定評がありますが、ATH-A2000XやATH-SX1aなど密閉型ヘッドホンに関しても実力機を多数輩出 するあたりに、同社の懐の深さを感じます。 |
| スタックス / STAX (日本) |
現在、国内で唯一コンデンサ型ヘッドホンを製造する1938年設立の老舗。 専用のドライバーアンプが必須となるものの、同社の製品で無ければ味わう事の出来ない 高解像度な音(特にボーカルや弦楽器の再生音は絶品!)により多くのマニアを魅了しています。 |
| Shure / シュアー (アメリカ) |
イヤホンが有名な会社ですが、最近になりヘッドホンの展開も始まりました。 無骨で男らしい外観を持った同社製品は、その見た目を裏切らない分厚い再生音が魅力となっており、早くも多くのファンを獲得しています。 |
| SENNHEISER / ゼンハイザー (ドイツ) |
フリッツ・ゼンハイザー博士により、1945年創立。 1967年には、世界で初めて開放型(オープンエアー型)ヘッドホンを発売しました。 だからというわけではないのでしょうが、開放型のヘッドホン・イヤホンに定評があります。 例えばドイツ・ハノーファーのゼンハイザー本社に於いて専任者の手作業で組み上げられるHD800は、 ビックリするほど高額ではあるものの再生音の素晴らしさにも特筆すべきものがあり、 究極の開放型ヘッドホンと言って差し支え無い完成度の高さを誇ります。 |
| beyerdynamic / ベイヤーダイナミック (ドイツ) |
1924年設立され、1950年には世界初のステレオヘッドホンを発売した老舗。 ヘッドホンだけでなくマイクの製造も得意としており、多くのプロミュージシャンに愛用されています。 2009年末に発売された同社フラッグシップ・T1は非常に滑らかで品位の高い再生音により多くの賞賛を浴びましたが、 600Ωというハイインピーダンスが示す通り周辺機器にも高いレベルを要求し、この点からもこの製品に対する同社の並々ならぬ力の入れようが窺えます。 |
| ULTRASONE / ウルトラゾーン (ドイツ) |
同社ヘッドホンの多くはS-LOGICナチュラル・サラウンドサウンド・システムと名付けられた独自の構造を持ち、
ヘッドホンでありながらスピーカーに近い自然な音場定位を志向しています。 1991年設立と比較的若い会社ですが、60を超える特許を取得するなど自社製品の品質向上には非常に貪欲で、この点からも多くのユーザーの支持を集めています。 |
| AKG / エーケージー (オーストリア) |
通称『アカゲ』。1947年、音楽の都ウィーンにて誕生し、現在ではプロ・コンシューマー問わず多数の愛用者がいます。 開放型・密閉型の両方を高いレベルで製造する同社ですが、特に某アニメの登場人物が使用していたことにより一躍大ヒットとなった 開放型ヘッドホン・K701などは、美しいデザインと非常に品のある再生音が魅力で、絶大な支持を集めています。 |


上で紹介した内容をおさらいしてみましょう。”答え合わせ”をクリックすると回答が見られますよ!
- ヘッドホンの駆動方式、ほとんどは何型が採用されている?
- 正解はダイナミック型です!
プヒ。
- 世界で初めてステレオヘッドホンを発売した会社は?
- 正解はベイヤーダイナミックです!
同社は1924年設立の老舗で、世界初のステレオヘッドホンは1950年に発売されました。
- ソニーのMDR-CD●●●STは日本の音楽界でプロ御用達のヘッドホン!
- 正解は900です!
海外では MDR-7506 が活躍しています。
- 国内で唯一のコンデンサ型ヘッドホン製造メーカーはスタックス?SONY?
- 正解はスタックスです!
とても繊細で高品位な音が愉しめ、多くのマニアを魅了しています。


ガイドで紹介した選び方をポイントにおすすめのヘッドホンを選んでみました。
それぞれ「価格」と「機能」を軸にピックアップしています。シンプルなもので十分、多機能のものが良さそうなど、
スタイルに合わせて自分の1台を見つけてみてください。
※ グラフにカーソルを合わせると担当者のおすすめ商品の情報がご覧になれます。
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みなさまからお寄せいただいた質問にお答えします。
家の中で「レ・ミゼラブル」のようなミュージカル音楽(オーケストラ演奏と歌)を臨場感たっぷりに楽しみたいのですが、どれが良いでしょうか?
ipodとDVD鑑賞で使用したいと思っています。
- tomatoさん
- 2012.02.21
『臨場感たっぷり』でDVD鑑賞でもお使いになるとのとのことであれば、サラウンド対応のヘッドホンはいかがでしょうか?ちょっとお値段は張りますが、映画鑑賞時にも大迫力の音声を愉しめますので、屋外で使わないのであればおススメします。特にconeco.netでも人気のsonyMDR-DS7500はワイヤレスで音質も上々なので候補の一つにして頂ければと思います。
ただ、このタイプのヘッドホンはiPod等では使えない (使えても、変換プラグが必要なものが多い) 場合が多いので、iPodでも使うのであれば、選択肢は通常のヘッドホンに絞られます。その場合は好みにもよりますし一概には言えないのですが、開放型のヘッドホンをおススメします。開放型のヘッドホンは比較的ボーカルものを得意とするものが多いので、ミュージカルには適していると思います。
あと、coneco.netである程度候補が絞れたら実際の店頭で試聴してみて、好みの音質のヘッドホンを選んで頂ければ幸いです。
では、楽しい音楽生活をお送りくださいね♪


「Vol.17 ヘッドホンの選び方」はいかがでしたか?どんなヘッドホンを買えばいいかイメージできましたでしょうか。
今後もどんどんコネコの手を増やしていきます。もし興味があればまたコネコの手をかりにきてくださいね。

ご意見・ご質問受付中
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投稿していただいた内容は「ギモンにお答えします」のコーナーで回答いたします。








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