〜最高の入力環境を求めて〜 キーボード8モデル、横並びレビュー
自分にあったキーボードを探す
あなたにとって、パソコンは趣味のアイテムだろうか。それとも、仕事の道具なのだろうか。筆者はもともとゲームを楽しむためにパソコンに触れたが、いつのまにかパソコンを使って原稿を書くのが生業となってしまった。普段でも毎日数時間はキーを叩いているし、締め切り前ともなればほぼ終日パソコンに向かうことも少なくない。仕事でパソコンを使う人の多くは、だいたいが皆、似たような状況だと思う。
……となると、当然気になるのが快適な操作環境だ。目の疲れないディスプレーや、座り心地のいい椅子。ストレスなく使えるマウス。静粛性の高いパソコン。気持ちよく仕事をするために、これらの品定めにはずいぶん腐心してきた。
中でも重要なのが、入力の要となるキーボード。ほとんどのユーザーはパソコンに付属してきたキーボード、もしくは店頭で何気なく選んだキーボードを使っているようだが、本当にそれでいいのだろうか? 否。筆者はそうは思わない。人それぞれ掌の大きさも違うし、入力スタイルも違う。ならば、自分に合ったキーボードを見つけることができるかどうかは、生産性に係わる重要なポイントであるはずだ。
そこで今回は、筆者がここしばらくの間に使ったキーボードをざっと紹介し、その特徴や使い勝手についてまとめてみた。これから自分に合ったキーボードを探そうとしている皆さんの参考になれば幸いだ。
※今回紹介したキーボードは、いずれも筆者が店頭や通販で購入したもので、掲載した価格は消費税と送料を除いた実売価格である。したがって、同じものが同じ価格で入手できるとは限らないので、念のため。
■COMPAQ プレサリオ付属キーボード GYUR66SK
昨年春に購入した、コンパックプレサリオ3500に付属していたキーボード。ファンクションキーの上に並ぶ、ゴージャスなホットキーが最大の特徴だ。
とくに目立った不満を感じたことはないのだが、キーの動きに若干の「遊び」があるせいか、長時間使っていると、なんとなく右肩が凝るのを感じる。また一番の目玉であるホットキーも滅多に使うことがなく、そのありがたみを実感することはできなかった。
決して悪いキーボードであるとは思わないが、筆者のように長時間キーボードを叩く仕事をしているユーザーには、いまひとつもの足りなく感じるのもたしか。これで妥協してしまうわけにはいかない。
<幅×奥行:46×19(cm) /コネクタ:PS2/価格:価格不明>
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| コンパックプレサリオ付属のキーボード |
ファンクションキーの上に並ぶアプリケーションホットキー |
■ソーテック PC STATION付属キーボード
年末に購入した、ソーテックPC STATIONに付属していたキーボード。ファンクションキーの上に8個のホットキーが用意されているが、基本的にはよくある普通の109型だ。コンパックのキーボードよりも感触が固めで、キートップのブレも少ない。PC本体の実売価格を考えると、悪くない品質であると思う。
ただ、そのぶん目立った特長もない。すべてがほどほどの仕上がりで、このキーボードならではの魅力に欠ける。悪くもないがよくもない、というのが正直な印象だ。
<幅×奥行:46×18(cm) /コネクタ:PS2/価格:価格不明>
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| ソーテックPC STATIONに付属のキーボード |
配色が個性的な点を除けば、割と標準的な109型 |
■ロジクール iTouch Keyboard iK-50(現行のiK-55)
質のいいマウスとキーボードのメーカーとして知られる米ロジテック社の日本法人、ロジクールが販売するキーボード。ほぼ同じデザインでコードレスのものも売られているが、筆者には必要ない機能なので、今回はUSB接続のものを購入した。またiTouch
Keyboardシリーズは、PS2接続のモデルiK-35もある。
キーのレイアウトは標準的な109型。テンキーの上に4個のアプリケーションホットキー、ファンクションキーの上に7個のマルチメディアホットキーとサスペンドキーが配置されている。おもしろいのは、マルチメディアホットキーの中にスピーカーのミュート(消音)キーがあること。CDやDVD、MP3の再生中に電話が掛かってきたときなどに、ワンプッシュで音を消すことができるのが便利だ。
しばらく仕事で使ってみたが、不思議に手と肩の疲れを感じない。パームレストの角度と広さ(幅)がちょうどよい感じで、スムーズにキーを叩くことができる。奇をてらった部分がなく、キーボードとしてのベーシックな機能と使い勝手を求めた点に好感を感じた。価格が少々高めだが、その価値はある。
<幅×奥行:46×20(cm), 46×26(cm)パームレスト装着時/コネクタ:USB/価格:5800円>
http://www.logicool.co.jp/cf/products/productoverview.html/key4.html
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| ロジクールのiK-50。現在は後継モデルiK-55が主流 |
幅広のパームレストがグッド。今回紹介した中では、もっとも負担が軽く感じた |
■ミツミ(OEM) KEK-EA9AU
以前から気になっていた、ミツミの小型のキーボード。ただし今回購入したのはミツミブランドではなく、同社のOEMモデルだ。標準的なキーボードと並べると、改めてその「小ささ」に驚く。サイズだけでなく厚みも半分ほどで、実にコンパクト。
使用感は、ひとことでいえばノートパソコン用のキーボードに近い。薄くスクエアなキートップはストロークも浅く、パチャパチャした軽い感触だ。横幅が狭いぶんキーのサイズも小さく、このサイズに初めて触れるユーザーには異様に感じるかもしれない。
しかし日ごろノートパソコンをメインに使っているユーザーには、むしろちょうどいいサイズに思えるのではないか? 筆者も最初に触れたときは狭く感じたが、しばらく使っているうちに思いのほか手になじみ、普通に打てるようになってしまった。ノートパソコンがメインのユーザーや、手の小さな女性や子供にぜひ一度ためしてもらいたい製品だ。
難をいえば、価格が高めであること。ほぼ同じ負担でロジクールやマイクロソフトの上位キーボードが手に入ることを考えると、勧めるのを少し迷う。
<幅×奥行:36×13(cm) /コネクタ:PS2/価格:4980円>
http://www.mitsumi.co.jp/Catalog/pc/key/kek/ea4au/text01.pdf
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| ミツミの省スペース型キーボード、KEK-EA9AU(OEM製品) |
小さいながらも使用感は良好。意外なおススメ品 |
■エレコム TK-P2104JP7
エレコムが販売する、省スペース型のキーボード。ミツミ製と違って、キートップのサイズは普通のキーボードと変わらない。カーソルキーの部分を詰めて、全体の横幅を10cmほど狭くしたというわけだ。今回購入したのは銀色のモデルだが、店頭にはベージュとブラックの3種類が展示されていた。
フルキーの部分は、普通の109型キーボードと変わらない。しかし[Insert]や[Delete]など特殊キーはテンキー部分の上に配置され、カーソルキーもかなり手前に置かれている。筆者の場合は[Delete]よりも[Back
Space]を多用するので思ったほど違和感を感じなかったが、カーソルキーの位置はやや不自然に感じた。慣れるのに、ちょっと時間が掛かるかもしれない。
しかし全体的な使用感は良好で、ストロークの感触もいい。机上に広いスペースを確保できない人にとっては、もってこいの製品という気もする。ジョイスティックやゲームパッドと併用するゲーム系のユーザーにも悪くない選択なのではないか。
<幅×奥行:37×18(cm) /コネクタ:PS2/価格:3480円>
http://www2.elecom.co.jp/per/fullkey.html
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| エレコムの省スペース型キーボード、TK-P2104JP7 |
横幅は狭いが、使い勝手は悪くない |
■マイクロソフト インターネットキーボード
マイクロソフトが、インターネット用として発売しているキーボード。このほかに、8個のマルチメディアホットキーと2ポートのUSBハブを装備した上位モデル「インターネットキーボードプロ」も売られているが、筆者はその部分にあまり魅力を感じなかったので、価格的にも手ごろなこちらの製品を選んだ。
サイズはやや大きめで、専用のパームレストが付属。仕上がりも良好で、ちょっとした高級感を感じる。キーのレイアウトは標準的だが、キーボードの最下段、スペースバーを中心とした左右のキーが幅広のサイズになっている点が最大の特徴か。ファンクションキーの上には7つの「インターネットホットキー」が配置され、「メール」「お気に入り」「ホーム」「検索」「戻る」「進む」「中断」に割り振られている。ブラウザの操作に慣れたユーザーには不要だが、パソコン初心者にはわかりやすくていいかもしれない。
使用感は上々で、コクコクした感じのストロークも心地よい。[Shift]キーやスペースバーが大きい点も使いやすく感じた。目立った欠点のないキーボードで、設置面積が広めである点を除けば(とくに奥行きが深い)、悪くない選択だと思う。個人的にはかなり気に入った。価格も手ごろで、買い得がある。
<幅×奥行:46×22(cm), 47×26(cm)パームレスト装着時 /コネクタ:PS2/価格:3580円>
http://www.microsoft.com/japan/hardware/new/internet_key.htm
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| マイクロソフトのインターネットキーボード |
なかなか使いやすい。キーを叩いた感触も良好だ |
■サンワサプライ Foldable Keyboard SFK2000U
最近アキバでもよく見かける、シリコンゴム製のキーボード。メインで使うには不適だが、興味があったので買ってみた。店頭にはUSB接続のものとPS2接続のものがあったが、モバイル用(ノートパソコン用)として使いたかったので、今回はUSB接続のものを選択。
グニャグニャである点を除けばサイズは標準的で、右上にはNum LockやCAP LockのLEDも付いている。キーの配置にも、とくに変わったところは見当たらない。強いていえば、カーソルキーのすぐ上に[interst][Home][Page
Up][Delete][End][Page Down][Paint Screen][Scroll Lock][Pause]の9キーが配置されていて、ファンクションキーの右側に[Sleep][Wake
Up][Power]キーが並んでいること。画面のキャプチャを撮るつもりがスリープさせてしまった……なんてことにならないよう、気をつけよう。
キーのストロークは深く、グイッと強めに押す必要がある。意識して力を加えなければならないので、しばらく使っていると思いのほか指先が疲れる。またキチンと平らな場所を確保して入力しないと、関係ないキーが勝手に接触してしまうこともあり、膝の上などで打つのは難しいだろう。
とはいっても、クルクル丸めて運べるメリットは大きく、ひとつ用意しておくと重宝なアイテムであることはたしかだ。
<幅×奥行:46×15(cm) /コネクタ:USB/価格:3980円>
http://www.sanwasupply.co.jp/product/syohin.asp?code=SKB-FLGR&cate=6
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| サンワサプライのグニャグニャキーボード、Foldable Keyboard SFK2000U |
特殊キーの配置がちょっと変わっている |
こんな具合にグルグル丸めたまま持ち運ぶことができる |
■ノープランド中国製
ゲーム専用として自作したパソコンのために、近所のパソコンショップ(PC DEPO)で購入した、中国製のノーブランドキーボード。標準的なサイズなのだが、実際にしようしてみると、いくつか致命的な欠陥があった。
まずひとつは、右側の[Shift]キーの外側に「_(アンダーバー)」が配置されている点。このキーはJISかなの「ろ」も割り振られていて、ひどく使い勝手が悪い。どうしてこんな無茶な配置になっているのか、素朴な疑問を感じる。
次に、カーソルキーの上にサスペンドボタンやパワーオフボタンが配置されている点。見ようによっては便利なのだが、アクションゲームやシミュレーションゲームをプレイしている途中に誤って押してしまい、そのまま終了してしまったことが何度かあった。頻繁に使用するキーの側に電源管理用のボタンが配置されているのは、やはり問題だろう。
これらの欠点は購入前にある程度予測できたはずなのだが、値段に負けてつい買ってしまった。「ゲーム用パソコンだから、まあ適当でいいか」という甘い考えがあったことも否定できない。典型的な「安物買いの銭失い」として、胸に留めておこう。
<幅×奥行:46×15(cm) /コネクタ:PS2/価格:1480円>
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| 中国製のノーブランド109型キーボード |
キーの配列とサスペンドキーの配置に問題あり |
■まとめ
結局、ロジクールのiTouch Keyboard iK-50を仕事用のキーボードとして使うことにした。決め手となったのは、以下の3点だ。
まずひとつは、大きさや色、レイアウトなど全体のまとまりがよく、入力用デバイスとしての完成度が高く感じたからだ。[Enter]キーやスペースバーの大きさも十分だし、使用頻度が高い左側の[Ctrl]キーと[Shift]キーのサイズにも配慮されている。レーザーで刻印されたキートップも見やすくていい。逆にいえば、個性や主張に欠ける部分がないわけではないのだが……まあ、仕事用としては無難なところだろう。
ふたつめは、ほどよい大きさと質感のパームレストが標準装備されていること。キーボードを長時間打ち続けると、どうしても手首に上向きの負担が掛かる。その疲れを軽減させるために、パームレストはとても有効なのだ。iK-50のパームレストはシンプルなデザインだが、角度やキーボードとの一体感に優れ、使ってみるとなかなか気持ちがいい。マイクロソフトのインターネットキーボードのパームレストも悪くない使用感だったが、本文にも記したように、筆者にはちょっと角度が急であるように感じた。
みっつめは、ファンクションキーの上に配置されたオプションキーボードの使い勝手のよさ。パソコン本体のボリューム調整とミュート、そしてCDドライブのコントロールが手軽に行えるのはうれしい。
しかし「iK-50が完璧なキーボードか?」というと、それは違う。やわらかめのキータッチはいまひとつ"手ごたえ"に欠けるし、パチャパチャした音も安っぽく感じる。また、素材のプラスチックが静電気を貯めやすいせいか、煤や埃を吸い寄せやすいところもイマイチだ。ここしばらく使ってきたものの中で一番使いやすく感じたというだけで、100%満足したわけではない。これからもより優れたキーボードを探し、どんどん試してみようと思っている。
今回は紹介できなかったが、キーを左右に分けて配置したマイクロソフトのナチュラルキーボードプロは、本当に入力しやすいのだろうか? ゲームパッドに似た十字型カーソルキーを採用したインテルのキーボードにも興味を感じる。いつか機会があれば、これらのキーボードも実際に使用してみたい。
なお余談だが、エレコムのTK-P2104JP7はゲーム専用マシンに、ミツミのKEK-EA9AUは事務所のファイルサーバー用に、マイクロソフトのインターネットキーボードは最近パソコンを始めた父に、Foldable
Keyboard SFK2000Uは移動先で使うモバイル用として、それぞれ使うことになった。コンパックとソーテックの純正キーボードは、当面使う予定がなくないので、とりあえず片付けてしまうつもりでいる。
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