●ステップアップとは趣向の異なる音のグレードアッップ
オーディオコンポーネントを買ってきて梱包を開けると、大概の場合は(よほどハイエンドの高級機でない限り)、 配線用のケーブル(コード類)が同梱されている。CDプレーには、アンプと接続するためのラインケーブルが付属し、 スピーカーにも相応の長さのケーブルが添付されてくることが多い。したがって、機器間の結線は、 改めてケーブルを買わなくてもひとまずできるはずだ。
では、なぜケーブル類が市販されているのだろうか。それは、付属品(おまけ)では 飽き足らない人や、自分の好きな音に近付けるためのひとつのツールとして、 ケーブル等のこうしたアクセサリーが認知されているからである。
オーディオラックも然りで、近所のホームセンターで買ってきたカラーBOXでも、とりあえずはコンポは設置できる。
しかし、もっと堅牢な台を用意することで機器のポテンシャルが十二分に引き出せたり、
振動や共振を防ぐことで音質向上につながることを知っているオーディオマニアがたくさんいる。
そうした背景があって、多種多様なオーディオラックが市販されているわけだ。
すなわち、こうしたアクセサリーは、オーディオを活性化し、より味わい深い趣味とするのに、なくてはならない重要な脇役といえよう。
●まさにピンからキリまで。懐具合と相談しながら選ぼう
アクセサリーは、コンポーネントを組んだり交換したりというオーディオの本流とは異なる、 いわば支流に当たる部分。しかし、夢中になる人がたくさんいる迷宮の世界でもある。 数百円の手軽なものから、何十万円もする超高級品まで、まさしく多種多様。 それは完全に好みの世界であり、例えば何十万円もするケーブルよりも、 数百円のものの方がシステムとの相性がよかったりもするし、 人によっては好みの音と感じる。そうした事例は数限りない。
付属品からここで紹介するような市販品に代えると、周波数レンジが広がったように聴こえたり、 音場感が一段とクリアーになったり、音が力強くなったり、 細かなニュアンスがより明瞭に聞き取れるようになったりする。 システムを入れ替えるほどの大袈裟なものではないが、 ちょっとした変化(時にはそれが大きな変化になることもあるが)がほしい時、 オーディオコンポを買い替えるよりも物理的/金額的なリスクが少ないのが、アクセサリーの魅力である。
●ひとまずはラインケーブル、または電源ケーブルの交換から始めてみよう
では、どこから手をつけるべきか。ここで紹介した項目の中で比較的出費が少ないのは、ラインケーブルだ。 一般的には数千円で試せるから、万が一変化が感じられなかったり、 変化は認められてもそれが好きな方向ではなかったりした場合でも諦めがつく。
ラインケーブルに対し、スピーカーケーブルは長い距離の引き回しの頻度が高いうえ、 1m当たりの単価が高額だ。スピーカーケーブルの交換は、ある程度の経験を積んでからトライしても遅くはない。
オーディオラックも非常に重要なアイテムだが、他のアクセサリーと比べて相対的に値が張る。 これも少し耳が肥えてきてからでも遅くはないだろう。
ラインケーブルの次にトライすることをお薦めしたいのは、電源ケーブルだ。 オーディオコンポーネントのすべてのエネルギーの源なので、 ここに投資すると大きな効果が得られることが多い。 ただし、機器側のコネクター(インレット部分)が交換できるタイプか、どんな形状か、 オーディオ機器に電源を供給する壁コンセントは2ピンか3ピンかといったチェックを忘れずに。 これを怠ると、せっかく大枚叩いて購入した電源ケーブルが使えず無駄になってしまうかもしれないからだ。
●深みにハマると大変、ほどほどが肝心
アクセサリーに凝るのは、コンポートの組み合わせによるシステムの音が完成されてからとか、 熟成された音に新しい刺激がほしいとかいった明確な目的意識をもって望んでいただきたい。 闇雲に投資すると、どんどん深みにハマッていき、 やがて莫大な資金を注ぎ込んでいたということにもなりかねない。前記した通り、 オーディオの音を決定づけるのは、あくまで機器の組み合わせが本流。ケーブルは余興ぐらいのつもりが丁度いい。
なお、ここではスペースの都合上紹介しなかったが、インシュレーターやスペーサーの類も、 オーディオアクセサリーの中では不動の人気を誇るアイテム。ゴム系や木質系、 金属系など、素材のみならず、サイズや形状にもさまざまなタイプがあるので、 安いものからあれこれ試していってもいいだろう。
●お薦めモデル
*coneco.net 平均価格は8月25日現在のものです。
インターコネクトケーブル
反転撚り構造を採用した汎用ケーブル。細くて柔らかく、さまざまな用途で使える。 プライスも安価でうれしい。真鍮削り出しプラグを採用しており、接続も確実だ。 被覆部には信号の流れの方向性表示付き。
- 他に0.7m・2.0mもあり
coneco.net 平均価格*:
\5,272
(税込み)
6N純度の無酸素銅とPCOCC-Aの2つの導体のハイブリッド構造。 ネジで締め付けられるチャッキング式コネクターを採用し、送り出し側には振動防止装置を装着。 接点はロジウムメッキ。ワイドレンジでクリアーな音。
- 他に0.7m・1.5mもあり
coneco.net 平均価格*:
\49,560
(税込み)
スピーカーケーブル
モンスターケーブルの特許技術「タイムコレクト構造」が採用されている。 力感のある低音は、ミニコンポ等の音のグレードアップに最適。耐久性や柔軟性が高いうえ、 1m当たり\735という安価が魅力だ。
coneco.net 平均価格*:
\615
(税込み)
スイスのケーブル専業メーカーの象徴的モデル。 信号伝送を阻害する要素を排除するべく、独自の撚り線構造を採用。 微細な音の実在感が滅法リアルで、音楽が一段と立体的に聴こえる。実は私も愛用中のケーブルだ。
- 他に2.0m・2.5m・3.0mもあり
coneco.net 平均価格*:
\60,800
(税込み)
ラック
かつて一世を風靡した重量級ラックがリクエストに応えてリバイバル生産。 厚さ50mmの堅牢な木質材で強固に組み上げられた本体は、120kg(棚板35kg)までの高耐荷重仕様。 棚 板部分は4段階の高さ調整と取り外しが可能。
- 幅: 58.0cm
- 高さ: 44.0cm
- 奥行き: 44.0cm
- 重量: 32.0kg
- 他にブラウンバーチもあり
coneco.net 平均価格*:
\49,022
(税込み)
タオックが得意とする鋳鉄材とアルミとのハイブリッド構造によるラック。 支柱とフレー分にアルミを採用。棚板は硬質メラミン材/鋳鉄粉シート/高密度パーティクルボードの多層構造。 自然なバランスの音だ。
- 幅: 59.5cm
- 高さ: 77.1cm
- 奥行き: 53.3cm
- 重量: 32.0kg
- 他にライトグレーもあり
coneco.net 平均価格*:
\103,950
(税込み)
電源関連機器
PCOCC-Aを導体に用い、絶縁体として硬度の異なる高分子ポリオレフィン素材を採用。 取り回しは楽だが、質量はズシリと重い。名称も強烈だが、真っ赤なプラグ部が鮮烈な印象。 メリハリ感のしっかりした音だ。
coneco.net 平均価格*:
\24,151
(税込み)
ロジウムメッキ製インレットなど、高品質パーツを使いながらコストダウンを図ったお買い得モデル。 内蔵フィルターの効果か、低域の力感が高まり、音に滑らかさがプラスされる。付属の電源ケーブルも高音質だ。
- 幅: 30.0cm
- 高さ: 7.3cm
- 奥行き: 13.2cm
- 重量: 2.2kg
coneco.net 平均価格*:
\31,290
(税込み)
次回は9月25日掲載予定です。お楽しみに!
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理工系大学卒業後、測定器エンジニア、雑誌編集者を経て現在はオーディオ&ビジュアル評論家。
自宅では業務用スピーカー(5本同一モデル)によるマルチチャンネル再生システムを組むなど業界きっての実践派として活躍する。
主な執筆誌は、Hi-Vi、ホームシアター、管球王国、ステレオサウンド(以上ステレオサウンド社)、CDジャーナル(音楽出版社)、日経エンタテインメント!/大人のロック!(日経BP社)など。
| CDプレーヤー | : Studer/A730 |
| DAC | : Weiss/MEDEA |
| プリアンプ | : ソウリューション/721 |
| パワーアンプ | : パワーアンプ:ソウリューション/710 |
| スピーカー | : Pioneer/TAD Reference One |
| 他、多数。 |
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