オーバークロックなど定格外動作をおこなうと製品保証を受けられなくなります。ご注意ください。


検証環境

今回の検証は下記の構成でおこないました。CPUのPhenom II X4 940 Black EditionはES品を使用しているので、製品版とは結果が異なる可能性があります。 また、CPUには個体差もあるので別の個体では今回のテストよりも良い結果が出ることも、逆に運が悪いと残念な結果になることもある、ということを念頭に置いてご覧ください。

PCパーツ構成

CPU AMD Phenom II X4 940 Black Edition (ES品)
CPUクーラー サイズ ANDY SAMURAI MASTER
マザーボード ASUS M3A78-T(BIOS 0602、Catalyst 8.12)
PCケース ANTEC Nine Hundred AB
電源 ENERMAX MODU82+ EMD425AWT
メモリー Corsair TWIN2X2048-6400C4
HDD Western Digital WD Caviar GP WD5000AACS
BDドライブ アイ・オー・データ BRD-SM4B
CPUファン ANTEC TriCool 120mm Red LED (1200rpm固定)
モニター 三菱電機 VISEO MDT242WG (1920*1200)
OS Microsoft Windows Vista Home Premium 32bit SP1

検証環境 この構成でチューニング後のアイドル時(800MHz,0.65V)の消費電力は50Wでした。 Nine Hundred ABに標準で搭載されている4つのファンをすべて低速で使用した状態で50Wなので、 ケースファンが減ればアイドル時の消費電力は40W台になるでしょう。

ANDY SAMURAI MASTERの標準ファンをTriCool 120mm Red LEDに変更したのは見た目を好みにするためで深い意味はありません。回転数は1200rpmの固定で検証しました。


クロックや電圧の限界の目安を調べる

常用可能なクロックや電圧を調べるための入念な負荷テストをおこなう前に、 まずは簡単なテストでターゲットとするクロックや電圧の設定値の目安を調べます。 ここでは1.35V固定でクロックを上げていく方法と、800MHz固定で電圧を下げていく方法をご紹介します。

「電源オプション」で「高パフォーマンス」を選択
<1>まず先にCool'n'Quietをオフにしておきます。「コントロールパネル」→「システムとメンテナンス」→「電源オプション」で「高パフォーマンス」を選択します。
AMD Overdriveを起動
<2>AMD Overdriveを起動します。AMD Overdriveの画面右上の緑の丸の縁が赤くなっていない場合は緑の丸をクリックして縁が赤くなるようにしてください。
「パフォーマンス制御モード」を「詳細モード」に
<3>「設定」タブの「設定」で「パフォーマンス制御モード」を「詳細モード」にします。
「すべてのコアを選択」をチェック
<4>「パフォーマンス制御」タブの「クロック/電圧」を開きます。 「クロック」項目の「すべてのコアを選択」のチェックボックスにチェックが入っていない場合はチェックを入れます。

「CPU コア 0 乗数」
<5>「クロック」項目の「CPU コア 0 乗数」の右のバー上の長方形のつまみをマウスでクリックします。
乗数(倍率)を変更
<6>つまみがアクティブな状態でキーボードの方向キー(「←」か「→」)を押すと乗数(倍率)が変更されます。 「15.5X」(15.5倍)だと「ターゲット速度」は3100MHz(3.1GHz)になります。
3.1GHzにオーバークロック
<7>右下の「適用」ボタンを押すと定格3.0GHzのPhenom II X4 940 Black Editionが3.1GHzにオーバークロックされ、「現在の速度」も3100MHzになります。
「Rendering(x CPU)」を実行
<8>簡単な負荷テストとしてCINEBENCH R10の「Rendering(x CPU)」を実行します。

上のクロックをテスト
<9>CINEBENCHのテストが完走した場合、さらに上のクロックをテストします。
CINEBENCHのテストを繰り返す
<10>3.0GHzから3.1GHzへオーバークロックした時と同じ方法で乗数の変更とCINEBENCHのテストを繰り返しおこないます。 CINEBENCHのテストが失敗したクロックが上限の目安となります。
「CPU コア 0 乗数」を「4X」(800MHz)に落とす
<11>では次に電圧の下限を調べる方法をご紹介します。まず先に「クロック」項目の「CPU コア 0 乗数」を「4X」(800MHz)に落とします。
「1.0000」に設定
<12>「電圧(V)」の「CPU VID」のつまみをクリックし、キーボードの「↓」キーで「1.0000」に設定します。

「CPU VID」の電圧・「現在の電圧」が1.0000Vまで下がる
<13>「適用」ボタンを押すと「CPU VID」の電圧が「1.0000V」まで下がり、「現在の電圧」も「1.0000V」になります。
CINEBENCHのテストをおこなう
<14>設定の変更が終わったらCINEBENCHのテストをおこないます。
電圧の下限を探る
<15>電圧は0.0125V単位で設定できるので、電圧の変更とCINEBENCHのテストを繰り返しおこなって電圧の下限を探ります。

上記の方法でテストした結果は以下のようになりました。 CPUの個体差やマザーボードの品質、電源の出力の安定性などによって結果は異なると思いますが、 Phenom X4 9950 Black Editionではおそらく不可能な結果と言えます。

ターゲット電圧 1.35V

クロック 倍率 電圧 テスト
3.5GHz 17.5 1.35V
3.6GHz 18.0 1.35V
3.7GHz 18.5 1.35V ×

ターゲット電圧 1.00V

クロック 倍率 電圧 テスト
2.3GHz 11.5 1.00V
2.4GHz 12.0 1.00V
2.5GHz 12.5 1.00V ×

ターゲット電圧 0.80V

クロック 倍率 電圧 テスト
1.4GHz 7.0 0.80V
1.5GHz 7.5 0.80V
1.6GHz 8.0 0.80V ×

ターゲットクロック 3.0GHz

クロック 倍率 電圧 テスト
3.0GHz 15.0 1.1750V
3.0GHz 15.0 1.1625V
3.0GHz 15.0 1.1500V ×

ターゲットクロック 0.8GHz

クロック 倍率 電圧 テスト
0.8GHz 4.0 0.6500V
0.8GHz 4.0 0.6375V
0.8GHz 4.0 0.6250V ×

設定の常用限界を調べる

AMD Overdrive「安定性テスト」 AMD OverdriveとCINEBENCH R10を使ってターゲットとするクロックと電圧の目安がわかったら、 次はAMD Overdriveの「安定性テスト」で常用可能な設定を調べます。「安定性テスト」は「パフォーマンス制御」タブの右から二番目にあります。

「安定性テスト」は最長7日間の設定が可能で、実行するとCPUに100%の負荷をかけつづけます。 この「安定性テスト」で失敗しなければテスト実行時の設定で常用が可能だと判断できます。 ただし、実際の使用時にはビデオカードやHDDなどにも同時に負荷がかかるので、「安定性テスト」と同時に ゲームのベンチマークやHDDのベンチマークなども実行した方が信頼性があがるでしょう。

「安定性テスト」を中心に常用限界を調べた結果は以下のようになりました。CINEBENCHのテストをクリアした設定の1〜2段階ゆるい設定が常用限界になる感じです。

常用限界

クロック 倍率 電圧
3.4GHz 17.0 1.3500V
3.0GHz 15.0 1.1750V
2.3GHz 11.5 1.0000V
1.4GHz 7.0 0.8000V
0.8GHz 4.0 0.6500V

試しにPhenom X4 9950 Black Editionの耐性を同一の環境で調べてみたところ、 1.35Vでの常用限界は3.2GHz、1.25Vでの常用限界は3.0GHzでした。 45nmプロセスルールで製造されたPhenom IIは耐性も順当に向上しています。

Phenom II X4 940 Black Editionを定格電圧の1.35Vで3.4GHzへオーバークロックさせた状態でAMD Overdriveの 「安定性テスト」を実行した時のCPUの温度はPC Probe IIの表示で最高で42度でした。 搭載ファンはすべて低速で使用した状態なので予想よりかなり低く、正確な温度が表示されていない可能性もあるので CPUクーラーのヒットパイプ部分とフィン部分を直接手で触ってみましたが、ほんのりと温かい程度でした。 AMD Overdriveでの表示温度はPC Probe IIでの表示よりさらに低かったので省略します。

では次にWindows Vistaのデフォルトの環境でK10statを使って好みのクロックや電圧に自動的に設定する方法をご紹介します。


K10statの使い方K10statの使い方

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Phenom II マルチタスクテスト動画

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