coneco.net > PCパーツ > Phenom II X4 955 Black Edition はベストな選択肢ではない?


今回もPhenom II X4 955 Black Editionを事前に入手することができたので軽くテストしてみた。そして先に結論を言うと、 残念ながらタイトルの通り現時点でPhenom II X4 955 Black Editionは最良の選択肢とは言えない。

ただしそれはPhenom II X4 940 Black Editionをすでに所有している場合に限る。 これから新規に購入する場合や非力なCPUからアップグレードさせる場合は非常に悩ましい選択を迫られることになる。 その理由を簡単にご紹介する。

検証機材

conecoパソコン 2009年夏モデル

CPU AMD Phenom II X4 955 Black Edition (ES品)
Phenom II X4 940 Black Edition (ES品)
Phenom X4 9950 Black Edition BOX
CPUクーラー AMD リテールクーラー(Phenom X4 9950付属品)
マザーボード GIGABYTE GA-MA78GPM-UD2H
メモリー Corsair TWIN2X2048-6400C4
PCケース HEC 6K60SBNP
電源 ENERMAX ECO80+ EES400AWT
HDD Seagate Barracuda 7200.12 ST3500418AS
光学ドライブ LITEON IHAS322-27
OS Microsoft Windows Vista Home Premium 32bit SP1

今回の検証はECO80+特集でも使用した上記構成で行った。今後coneco.net公式の検証は当分この構成をベースに行うことになる。

conecoパソコン


定格設定と消費電力

定格設定と消費電力

  動作クロック Vcore 状態 消費電力
Phenom II X4 955 Black Edition 800MHz 1.00V アイドル 62W
3200MHz 1.35V 高負荷 143W
Phenom II X4 940 Black Edition 800MHz 1.00V アイドル 58W
3000MHz 1.35V 高負荷 130W
Phenom X4 9950 Black Edition 1300MHz 1.05V アイドル 67W
2600MHz 1.25V 高負荷 152W

Phenom II X4 955 Black Editionの定格動作クロックは3,200MHz(3.2GHz)で、 AMD製CPUで歴代最高クロックのAthlon 64 X2 6400+ Black Editionと並んだ。 Athlon 64 X2 6400+ Black EditionはデュアルコアCPUだったのに対し Phenom II X4 955 Black EditionはクアッドコアCPUなので、ここに晴れて文句なしにAMD歴代最速のCPUが誕生したことになる。

周知の通り、Phenom II世代になって初代Phenomのウィークポイントだった消費電力が改善した。 検証に使用したPhenom X4 9950 Black Editionは後期型でTDPが低くなった125Wモデルであるが、 Phenom IIの2モデルは動作クロックが400MHz以上高速化しても消費電力は逆に下がっている。

しかし、Phenom II X4 940 Black Editionと比較してPhenom II X4 955 Black Edition使用時の 消費電力がアイドル時に誤差とは言えない程度に上昇していることが気になる。 検証に使用した固体の問題である可能性もなくはないが、 手元にサンプルが1個しかないのであくまで1例として今回の結果を参考にしてほしい。


オーバークロック耐性と消費電力

Vcoreを1.35Vに固定した場合の常用限界は次のような結果となった。 AMD Overdriveの安定性テストやOCCTの各種テストをクリアすることで常用できると判断した。

Vcore 1.35Vでの常用限界

  動作クロック
Phenom II X4 955 Black Edition 3600MHz
Phenom II X4 940 Black Edition 3400MHz
Phenom X4 9950 Black Edition 3000MHz

検証にはPhenom X4 9950 Black Editionに付属するリテールクーラーを使用したので、 Phenom II X4 955 Black Editionの3600MHz動作時は室温25℃で55℃強を記録した。 今回の構成でオーバークロックする場合はCPUクーラーが完全にボトルネックになるので、 conecoパソコンを今後テコ入れする場合はまず最初にCPUクーラーの換装を検討しなければならない。

同一のクロックとVcoreで3種のCPUの消費電力の違いを比較するためのデータを以下にまとめる。

Phenom II X4 955 Black Edition

動作クロック Vcore 状態 消費電力
800MHz 1.00V アイドル 62W
1300MHz 1.05V アイドル 63W
2600MHz 1.25V 高負荷 110W
3000MHz 1.35V 高負荷 140W
3200MHz 1.35V 高負荷 143W
3400MHz 1.35V 高負荷 147W
3600MHz 1.35V 高負荷 153W

Phenom II X4 940 Black Edition

動作クロック Vcore 状態 消費電力
800MHz 1.00V アイドル 58W
1300MHz 1.05V アイドル 61W
2600MHz 1.25V 高負荷 101W
3000MHz 1.35V 高負荷 130W
3400MHz 1.35V 高負荷 133W

Phenom X4 9950 Black Edition

動作クロック Vcore 状態 消費電力
800MHz 1.00V アイドル 64W
1300MHz 1.05V アイドル 67W
2600MHz 1.25V 高負荷 152W
3000MHz 1.35V 高負荷 204W

総合評価

「価格」「消費電力」「性能」「将来性」の4つのポイントで今回比較した3種のCPUを評価すると次のようになる。

総合評価

  価格 消費電力 性能 将来性
Phenom II X4 955 Black Edition
Phenom II X4 940 Black Edition
Phenom X4 9950 Black Edition ×
Windows7
conecoパソコンはWindows 7対応

Phenom II X4 955 Black Editionの価格次第になるが、 Phenom II X4 940 Black Editionのバランスの良さが光る。 唯一の弱点となる将来性に関してもMicrosoftの次期OSとなるWindows 7で性能が不十分になる可能性は現時点でほぼないので、 PCパーツを頻繁にアップグレードさせる人以外はその将来性も特に問題にはならない。

Phenom II X4 955 Black Editionは定格3.2GHzの歴代最速CPUで将来的なアップグレードパスも申し分ない。 Phenom II X4 940 Black Editionとの比較で若干の消費電力の増加が見られるが、 それもDDR3メモリを使用することによって消費電力の低減が期待できる。 Phenom II X4 940 Black Editionとの価格差を許容できる場合は迷わずPhenom II X4 955 Black Editionとなる。

最後にPhenom X4 9950 Black Editionであるが、実はこのCPUも決して悪くはない。 アイドル時の消費電力はCool'n'Quietを使用しただけでも十分に低く、 K10statを使用して設定を詰めればPhenom IIとも遜色がなくなるだろう。そして現在市場に流通している製品ではまず1.35Vの3.0GHzでの常用も期待できるので、 消費電力さえ気にしなければPhenom X4 9950 Black Editionの現在のバーゲン価格は非常に魅力的である。

Phenom II X4 955 Black Editionの実売価格が3万円以下であれば今回比較した3種のCPUそれぞれ価格相応の価値が十分にあるので、2009年のゴールデンウィークは財布の中身と相談して十分に悩んでいただきたい。


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