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アップグレード

自作パソコンの大きなメリットは、汎用の規格で製品化されたPCパーツを使って組み立てるので別のPCパーツに交換する時の自由度が非常に高く、必要に応じて簡単にアップグレードできることです。

たとえば、将来的に動画編集などを始めた時にCPUの処理能力がもし足りなければCPUを上位製品に交換するだけで快適になりますし、 ゲームがしたくなればそのゲームを快適にプレイできる性能のビデオカードを選んで自由に増設できます。

既製品のパソコンと比較してアップグレードしやすいことは自作パソコンやBTOパソコンの有力なメリットで、 パソコンをまるごと買い換えないで一部のPCパーツの交換だけで済ますことができればコストの削減にもなります。

では今回5万円のPCパーツを使って組み立てた自作パソコンの一部のPCパーツをアップグレードさせるとどのような性能の違いが出るのかご紹介します。

CPUのアップグレード

CINEBENCH R11

2コア3.0GHzのAthlon II X2 250eと 6コア3.2GHzのPhenom II X6 1090T Black Edition(以下、Phenom II X6 1090T BE)の性能をCINEBENCH R11で 比較するとスコアは1.73ptsと5.70ptsとなり、3倍以上スコアが上昇しました。ベンチマークのスコアはあくまで目安ですが、CPUのスペックに準じて性能が向上することがわかります。


ただし、注意しなければならないことが一点あります。 CPUやビデオカードは基本的に、性能が高くなればなるほど消費電力が大きくなり発熱も増大します。 Athlon II X2 250eとPhenom II X6 1090T BEのCINEBENCH R11実行時の消費電力には約100Wの違いがありました。

熱と温度は製品寿命を左右する重要な要素なので、発熱の大きいPCパーツを使用する場合は冷却に十分注意する必要があります。

ビデオカードのアップグレード

今回自作したパソコンのマザーボードとして選択したA9DAはPCI Express x16スロット対応ビデオカードを最大2枚まで取り付けることが可能です。 複数のビデオカードを使って3D描画能力を高めるCrossFireXに対応するので、 オンボードグラフィックスのRadeon HD 4290、Radeon HD 6850を1枚、Radeon HD 6850を2枚、 の3パターンで性能がどう変わるかテストしてみました。 なお、グラフィックス製品の描画能力はCPUの性能と密接に関係するので、 CPUはAthlon II X2 250eとPhenom II X6 1090T BEの両方でテストし、合計6種類の組み合わせでの結果をご紹介します。

オンボード使用

Radeon HD 6850 1枚

Radeon HD 6850 2枚


ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク LOWモード スコア

ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク LOWモード スコア

ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク HIGHモード スコア

ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク HIGHモード スコア

ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマークは先に使用したFINALFANTASY XI オフィシャルベンチマーク3と異なり、高い描画能力が要求されるゲームのベンチマークソフトとなります。

結果はグラフのように、オンボードグラフィックスのRadeon HD 4290では「動作困難」という判定になりました。 それに対し、Radeon HD 6850を含んだ組み合わせではAthlon II X2 250eでも「普通」という判定で、 Phenom II X6 1090T BEとRadeon HD 6850を2枚使ったCrossFireXの構成ではHIGHモードでも「快適」という判定が出ました。

グラフをみると、同じグラフィックス製品でもCPUがAthlon II X2 250eと Phenom II X6 1090T Black Editionの時でスコアに差が出る場合と出ない場合があることがわかります。 差がない場合はグラフィックス製品の性能をCPUが十分に引き出し切れていないといえます。 使用するPCパーツの性能のバランスを考えることも構成を決定する上で重要なポイントとなることがわかります。

ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク LOWモード 消費電力

ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク LOWモード 消費電力

ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク HIGHモード 消費電力

ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク HIGHモード 消費電力

ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク実行時の消費電力はスペックが上がるに従い消費電力も増大しています。

テストでは出力が650WのGZ-E2BSDX-G93付属電源を使用しました。全体の消費電力の最大値が417Wでベンチマークも実行できているので付属電源でも問題ないように思えます。しかし、GZ-E2BSDX-G93に付属する電源にはビデオカード用の6+2ピンコネクタが1本しかないので、テストでは変換ケーブルを使用しました。電源の設計的には6ピンコネクタが2本必要なPCパーツ構成には適していません。

電源の容量が足りなくなれば他のPCパーツと同様に電源だけ交換すればよいのですが、将来的なアップグレードの可能性を考えて交換せずに済む容量の電源を選べば節約できます。

ただし、無駄に大きな容量の電源を選ぶことは可能な限り避けてください。電源の容量に対して使用電力が極端に低いと変換効率が悪くなりますし、同品質の電源であれば容量が大きくなるに従って価格も高くなります。

無駄に大きな容量の電源を選ぶのであれば、最適な容量まで下げて浮く予算を品質の高い電源の選択にまわすことをおすすめします。電源の品質はベンチマークのスコアなどにあらわれにくいこともあり、初心者の方は電源にあまり予算を振り分けない傾向がありますが、とりあえず、電源を軽視してはいけない、ということだけは覚えておいてください。

おわりに

今回は5万円の予算でパソコンを自作し、アップグレードに関する例も簡単にご紹介しました。

5万円の構成のパソコンでもインターネットや文章作成、HD動画再生などの一般的な用途であればかなり快適に動作します。

自作パソコンは安い(初期導入コストを低く抑えることができる)という時代は終わり、既製品のパソコンやBTOパソコンと比較して価格的なメリットはなくなりました。しかし、目的や用途に応じて自分に最適なパソコンを組み立てることができることや、将来的にアップグレードする際の自由度が高いことはこれまで通り大きなメリットとなります。

自作パソコンはやる気さえあれば誰でもできることなので、機会があればパソコンを自作してみてください。

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